茶の湯釜(ちゃのゆがま)昔のナベや釜などをつぶした「和鉄」を熔かして、外型と中型の間に流し込んで成型した後、酸化鉄で色を付けて仕上げます。30~50もの種類がありますが、その形は時代とともに変化してきています。茶道の盛んな金沢で脈々と受け継がれてきた工芸品です。
金沢箔(かなざわはく)金沢箔の特徴は、金の輝きを失わせることなく1万分の1ミリの厚さ、10円硬貨大のものを畳1枚ほどの広さにまで均一に広げる職人の技術にあります。さらに気候風土や水質が製箔に適していたことで、金沢は金箔の国内生産の約99%を占めるといわれています。
和紙(わし)金沢市の二俣は献上紙漉き場として加賀藩の庇護を受け、加賀奉書、杉原紙、高檀紙など高級な公用紙が漉かれていました。このほか県内には川北町の「雁皮紙」、輪島市の「画仙紙」などがあります。
桐工芸(きりこうげい)金沢の桐工芸の特徴は、蒔絵加飾にあります。木目の美しさに華麗な蒔絵を施している工芸品は全国でも数少ないものです。耐湿、耐火性に優れている桐の特性を生かした桐火鉢や花器、灰皿、菓子器などが生産されています。
檜細工(ひのきざいく)軽くて通気性も良く丈夫な檜細工は、山仕事や農作業用の笠として発展しました。現在は、檜笠のほか網代天井や籠、花器なども作られており、素朴な民芸品として親しまれています。
加賀象嵌(かがぞうがん)象嵌とは、鉄や銅合金などの地金の表面を彫り、色彩の異なる金や銀、四分一(銀と銅の合金)などを埋め込んでいくものです。加賀象嵌の特徴は、この埋め込んだ金属が抜け落ちないように表面より奥が台形型に広くなっている「平象嵌」という技法にあります。
金沢表具(かなざわひょうぐ)金沢表具は、京表具の流れをくみ、百万石文化を反映してどっしりとした渋い仕上がりが多く、寸法は金沢の町家に合わせ、京寸法より短めです。現在は金沢市を中心に古い掛け軸などの文化財の修復にも携わるなど、高度な技術を誇っています。
竹細工(たけざいく)茶道や華道の隆盛と共に発展してきました。以来、生活用品も多く作られてきましたが、工業製品の台頭でそれらは減少し、現在では、網代編を主体とした高度な模様編で茶道具や花器などが作られています。
鶴来打刃物(つるぎうちはもの)旧鶴来町(現白山市)は元々、刃物鍛冶が盛んな土地柄で、農耕用から山林用、家庭用まで、生活の中に息づく刃物が作られていました。今では非常に珍しくなった「野鍛冶」により、クワ、カマ、ナタなどを製作しました。