終了
企画展
2F

山中漆器・復刻「古代椀百選」展

2011/8/2(火) 9/28(水)

会 期:2011年8月2日(火)〜 2011年9月28日(水)
展示室:2F 第4展示室
作品数:山中の職人により復刻された古代椀100点

石川県立伝統産業工芸館では、山中漆器・復刻「古代椀百選」展を山中漆器連合協同組合のご協力により2ヶ月間に渡り行います。身近なようでだんだんと普段の生活から遠のいていく漆のうつわ。そんな中で、一番よく使われているものは何と言っても「椀」でしょう。本企画展では、「漆椀百選」(荒川浩和編著)及び「時代椀大観」(松田権六・羽野貞三編著)を参考資料として、山中の職人が総力を挙げて復刻した日本各地の銘椀100点を展示します。「椀」の原点に立ち返ると共に、再現された椀に「用の美」を再発見して頂ければ幸いです

◆ 作品提供及び協力: 山中漆器連合協同組合

<山中漆器連合協同組合からのメッセージ >

建造物から工芸品まで日本の文化を語る上で漆を欠く事は出来ませんが、日常生活用 品としては現代生活の用を外れたものも多くあります。そうした中にあって「漆椀」 は今に至っても日本の食生活に確固たる位置を保っています。「わん」には椀、碗、鋺 など様々ありますが、木偏の椀は日常食器として塩分や酸にも侵されず、手触り、口 触り、保温性、手にした時の重量感など、その用をなすものとして最も優れているの ではないでしょうか。

ここに復元された古代椀の銘品百点は名著「漆椀百選」上下巻(編著 荒川浩和)、「時 代椀大観」(編著 松田権六・羽野貞三)を参考資料とし、その内容は古くから各地に 伝わる椀をエックス線透視などの科学的手法により丹念に調査されたものであり、木 地の選別、形状、下地の手法、塗り、蒔絵等、すべての工程において、数多くの先人 の経験と伝統に培われた、椀としての究極の条件を満たしているものばかりです。

現代生活の中で、最も生活に密着した器のひとつとして「椀」がありますが、ややも すれば市場性や経済効率にのみ重きを置いたものも見受けられます。漆椀百選の再現 は「椀」の原点に返って用の美を見直すという意味において貴重な体験を提供できる ものと言えるでしょう。

◆ 工芸館ミュージアムショップでのコラボ作品販売について

7月に当館で企画展を行った型染め作家、北村紗希さんが今回の企画展「山中漆 器・復刻「古代椀百選」の為に「椀」をモチーフとしてデザインした工芸館オリ ジナル手拭いを制作してくれます。期間中ミュージアムショップにて販売を行い ますので、併せてご覧下さい。