終了
企画展

「雨にも負けず、ひたむきに和紙工芸 −表具師・山本幸巨の世界−」展

2011/10/1(土) 11/30(水)

会 期:2011年10月1日(土)−2011年11月30日(水)最終日は15:00まで
(好評につき会期を延長させて頂きました)
展示室:1F エントランスホール展示室スペース、2F 第4展示室
作品数:42点

独特の技法で制作される屏風、「今」を感じさせる軸装、山本さんの作品は表具を志す若い職人さんにとって良い刺激・手本となるとともに、一般の方々には、和室のない家に置いても違和感のない作品を見て頂きたいと思います。

表具師の本流である軸装と屏風を中心に見て頂きますが、遊び心いっぱいの和紙作品も紹介します。伝統に学びながら、それを現代の生活の中でいかに実現させていくかを突き詰めていく姿勢、常に新しい挑戦をしようとする姿勢をぜひ見て頂きたいと思います。

< 山本幸巨さんからのメッセージ >

表具師修行を、とりわけ厳しい京都の店で終え、金沢で家業を継ぎましたが、金もなく、技術も無く、仕事もない私には更なる厳しさが襲って参りました。40歳になった頃、職人の世界には見られない素晴らしい考えの工芸界の人達に巡り逢い、日々の勉強と努力をしている姿を目の当たりにし、今まで何をしていたのかと背筋が凍る思いに駆られました。その日から表具の勉強を中心に、日々勉強の事、日々努力のこと、時間を費す事、報われないこと、見返りを求めないこと、人に馬鹿にされる様なこと、儲からないこと、休まない事、行なうと人が避けて通ることを書き出して、寝室の天上に張り、其の紙を見ながら寝むりについていました。

心を無にし「与えて求めず」を躯に刻み込み、ひたむきに仕事をさせて貰っています。 今回は、表具師の本流であります軸装と屏風を中心に、時々息抜きに作った作品を展 示させて頂きました。ご覧戴けますと幸いです。

<山本幸巨さん・「名物裂を使った楊枝入れ制作」ワークショップ >

名物裂を使って楊枝入れを作るワークショップです。名物裂とは鎌倉時代から江戸時代 にかけて主に中国から日本に伝わってきた最高級の織物で、これらの裂は宝物のように され、大茶人千利休や小堀遠州の名前や、文様からの名前が一品ずつに付けられ、今に 伝えられてきたものです。山本幸巨さんの丁寧な指導で、自分だけの一品を作っみまし ょう!

日時:10月16日(日)  13:00−15:00
場所:工芸館1F
講師:山本幸巨 さん
参加:¥500(金属楊枝込みの材料費)
予約:必要ありません。直接工芸館へお越し下さい。

<山本幸巨さんプロフィール >

1946石川県金沢市生まれ
1971まで京都・皐月表玄に於いて修行
1969京都表展・京都表装文化協会会長賞受賞
1977第20回石川県表展・石川県技能検定協会会長賞受賞
1981第21回石川県表展・輪島市議会議長賞受賞 第21回石川県表展・北國新聞社長賞受賞
1982労働大臣認定1級技能士認定
1983金沢市創作工芸展・金沢市工芸協会会長賞受賞
1984金沢市工芸展・金沢市工芸協会奨励賞受賞
1985第22回石川県表展・県中小企業団体中央会会長賞受賞
1988金沢市工芸展・石川県伝産振協会長賞受賞
1989第23回石川県表展・北陸放送社長賞受賞
1993第24回石川県表展・石川県議会議長賞受賞
同石川県知事賞受賞
日本伝統工芸七部会展初入選
日本伝統工芸展初入賞
1994日本伝統工芸七部会展・朝日新聞社社長賞受賞
1995金沢市工芸展・金沢市市長奨励賞受賞
1996日本工芸会 正会員認定
1997第25回石川県表展・石川県知事賞受賞
1998金沢市工芸展・金沢市市長奨励賞受賞
1999名古屋三越本店特選画廊に於いて個展開催
2001第26回石川県表展・七尾市長賞受賞
同石川県知事賞受賞
2002金沢市工芸展・金沢市工芸協会会長賞受賞
2005金沢市伝統的建築物保存修復士認定
2006第27回石川県表展・かほく市長賞受賞
金沢市伝統産業貢献者表彰
石川県伝統産業功労賞表彰
2011第28回石川県表展・小松市市長賞受賞
第58回日本伝統工芸展入選

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<修復>

・正行寺襖絵修復 (国指定重文)
・古川邸障壁画修復 (県指定重文)
・浄土寺障壁画修復 (国宝)
・平等院鳳凰堂剥落止 (国指定重文)
・三千院軸装修復
・その他多数の修復を手がける