木目の宇宙、木目の景色
2013/4/2(火) ~ 5/30(木)
会 期 : 2013年4月2日(火)- 2013年5月30日(木) ※最終日は15:00まで。
展示室 : 2F 第3展示室
作品数 : 約40点
石川の伝統的工芸品36業種の1つでありながら、なかなか企画展で取り上げる機会のなかった石川の桐工芸を見て頂く企画展です。桐の特徴、製造工程、制作者を紹介するとともに出展3工房が工夫を凝らした幅広い作品をご覧に入れます。
若い世代の方々には段々と馴染みがなくなってきた「桐」について知って頂く入門編として、今回の企画展では主に次の4点を中心に見て頂く構成となっています。
1.桐の特徴とは?
2.なぜ焼くのか?
3.その様な特徴を生かしてどのようなものが作られてきたのか?
4.新しい作品にはどのようなものがあるのか?
どうかゆっくりとご覧いただき、「桐」の良さを再発見して頂きたいと思います。
<出展者によるそれぞれの工房の紹介>(あいうえお順)
□ 岩本清商店(いわもときよししょうてん)
1913年創業、今年100周年を迎える桐工芸専門の工房+店。
金沢駅にほど近い下町・瓢箪町の路地裏にあります。
古くて小さな工場にて、家族で制作・販売しております。
ろくろで挽いた桐火鉢はもとより、ちょこっとトレーやコーヒー豆スプーン、
金沢のあたらしい郷土玩具「てるてる」など、
現代のふだんの生活で使いやすい品物を制作しています。
□ 桐漆工芸 上坂
上坂は昭和10年頃までは山中町にて山中漆器を製造していましたが、
先代より金沢にて桐工芸を始めました。
特徴は指物師、蒔絵師による引き出し物・小箱類です。
平成24年より木象嵌技術を応用した品も作り始めました。
□ 廣瀬桐工芸
亡き父の常吉(伝統工芸技術者)がこの仕事を始めました。
私は昭和38年からこの仕事に入り今日迄来ました。
私の所は製造・卸業です。製品は、花器・菓子器・達磨・行燈・天然のテーブル・椅子・棚・
置台・灯籠・座卓・衝立等を製作して居ります。同じ形の物は有りません。
新商品パネル(彫刻)に励んで居ります。
廣瀬柳一 県伝統工芸師 平成15年4月認定
<出展者からのメッセージ>
桐工芸の源流は桐火鉢で、起源は江戸時代と考えられます。
桐の木は軽くて割れにくく、耐火性、耐湿性に優れています。それらの特性を活用して、今では3社となった廣瀬、岩本、上坂の各工房は現代に合った品を作り続けています。
桐工芸は昭和63年、石川県の伝統的工芸品に指定されました。
木目や独特の錆上高蒔絵を使った3社の桐工芸をご覧下さい。(上坂審一)