終了
企画展
2F

企画展「加賀毛針・来し方行く末」

2015/4/3(金) 6/1(月)

会期4月3日(金)-6月1日(月) 最終日は15:00まで
展示室2F 第3展示室

加賀毛針、その来し方は縫い針でした。この企画展では、400年以上の歴史を持つ目細針に焦点をあて、そこから生み出された加賀毛針、そしてその加賀毛針を応用した作品へと繋がっていく一連の流れを紹介いたします。

<出展者からのメッセージ>

1575年(天正3年)、前田利家が金沢に入場する前から針屋八郎兵衛として創業致しました。当時、人々の生活において「針」はあらゆる作業に使用されており多種多様な針が必要とされていました。針の専門店の数も多く針先や目穴の違いで使用しやすい針が求められました。

江戸時代加賀藩では武具の作成や修復の為、御細工所が創設されました。三代藩主利常の時代に武具の補修を中心とする御細工所を、藩主の生活全般にわたる調度品の製作を行う場所として組織化が始まります。百万石の加賀藩は侍の数が日本一多いわけで、参勤交代に着用した武具甲冑の修復だけでも大変な仕事でした。さらに藩主の生活調度や衣類の修復等がありますので、御細工者のなかでも針細工の需要がとても多かったようです。さらには参勤交代のお供も重要な仕事で、長い道中で傷んだ衣類や甲冑の修復に針細工が多数を占めていたようです。

その御細工所の御針所に針を納めていたのが「針屋八郎兵衛」(当店)です。今も、金沢の伝統工芸やクラフト作家もこの「針」を使い匠の作品が作られています。その針が毛鈎へと変わり、さらに現在ではその繊細で美しい毛鉤がアクセサリーとして新風を起こしています。これからも伝統の縫い針、武士により考案された加賀毛針における美と高い技術力を伝承し続け、更に新たな商品開発に取り組んでいく所存でございます。(二十代 目細勇治)