終了
企画展
2F

企画展「金沢表具最新事情」

2015/11/6(金) 12/30(水)

会期2015年11月6日(金) - 12月30日(水) 最終日は15:00まで
展示室2F 第3・4展示室
作品数約80点

本企画展では、普段あまり目にする機会の無い表具師の仕事を見て頂くとともに、2011年に立ち上げた「金沢からかみ」プロジェクトを紹介します。展示会場を2か所に分け、
第4展示室では伝統的な屏風と風炉先屏風、第3展示室では、金沢からかみ研究会が考案した金沢らしい紋様を使った模様紙(金沢からかみ)のパネルを紹介します。

<出展者>(敬称略、あいうえお順)

礒 慶太郎、岡田 正、岡田征樹、加藤 嘉、角 守、角 友美、武部正典、永嶋 明

<出展者メッセージ>

表具師の仕事は主に、掛け軸・襖・屏風・額装・衝立・腰貼りなどですが、使い方に合わせた材料や道具、そして制作技術を使い分けて制作しています。
今回の企画展では、会場を2カ所に分け、屏風の仕事と私たちの新しい試み「金沢からかみ」をご覧いただきます。
屏風は外から見ているだけではわかりませんが、その内側にはかなりの数の和紙を重ねて下張としています。
こうする事により仕上がりがふわっとしたふくらみを持ち、和紙の層が一種のフィルターの役割を果たすので、空気清浄、湿度調節といった機能性も持っています。
屏風の良し悪しは、目に見える外側ではなく、内側に込められた伝統の技術で決まるのです。
既存の「京からかみ」や「江戸からかみ」に対して、金沢らしい紋様を考案し、様々な用途に使える和紙の紋様紙「金沢からかみ」を創作しました。
近年、日本の住宅は洋風化が進み、畳の部屋が全くない家も今では珍しくありません。
今回私たちが提案する「金沢からかみ」は、襖や衝立などにももちろん使って頂けますが、洋室などでは今回ご覧頂くパネルとしても楽しんで頂けると思います。
私たち表具師は、先人達が積み重ねてきた伝統を忘れることなく、新しいデザインや使い手の方々に注目していただけるものづくりを行っていく必要があると感じています。
本企画展を通じて、私たちの活動を知っていただき、表具という職業に少しでも興味を持っていただければ幸いです。(金沢からかみ研究会)

<金沢からかみとは>

「唐紙」は、奈良時代に中国の唐から伝来した細工紙で、当時は詩歌などを書くための料紙として使われていました。
平安時代に京都でからかみが生産されるようになると住居の襖障子にも使われるようになり、江戸時代には公家や武士だけでなく庶民にも親しまれるようになりました。
今日、模様紙というと「京からかみ」「江戸からかみ」がありますが、残念ながら工芸の盛んな石川県であるにもかかわらず「金沢からかみ」は存在しておりませんでした。
そこで、2011年、石川県表具内装協同組合の有志が集まり、この状況を打開すべく「金沢からかみ研究会」を立ち上げました。
本日ここでご覧頂くのは、この研究会で考案した金沢らしい模様のからかみ、その名も「金沢からかみ」を使ったパネルです。
2013年に誕生した金沢からかみ第1号「木虫籠」(きむすこ)は、金沢の町家の出格子をモチーフにしたものです。以来、研究会では検討を重ね、現在およそ20柄を金沢からかみとして発表しています。

◆ 併催プログラム

本企画展の出展者による表具のワークショップを会期中に実施します。詳細が決まり次第、工芸館HPでお知らせします。