終了
企画展
1F

光の呼吸 九谷透光性磁器 −白磁−

2011/9/8(木) 9/28(水)

会 期:2011年9月8日(木)− 9月28日(水)
展示室:1F エントランスホール展示室スペース
作品数:約150点

    静かに澄んだ夜 月の光を吸い込み
    柔らかく佇む 白い器
    大切なひと時に 注ぎ注がれる心を
    そっと受け止め 人と人とをつなぐ道具

これは以前に制作意図を問われた時に森岡さんが答えた言葉です。今回の作品にも 通ずる心意気が感じられる言葉でもあります。凛とした潔さと清楚なたたずまいを持 つ森岡さんの作品は、しかしながら手に取ると隠されていた人肌のぬくもりを伝えて きます。非常に薄く、光を通すその儚げなボディでさえ、手に取ると意外にも堅牢で あることが分かります。このように相反する資質を持っていることが森岡作品の魅力 です。今回は通常の白に加えて、黒ヴァージョンも制作されました。総数150点に上 る作品の研ぎ澄まされたシンプルさ、人肌のぬくもりをぜひ体感して頂きたいと思い ます。

<技法>
轆轤成形。薄いロクロ引きと高温焼成により磁土の特質である透光性を引き出すよ う努め、さらに表面を焼しめ、研磨することで磁土そのものの色と、質感を活かそ うと試みています。

< 森岡さんからのメッセージ >
日々ロクロに向かう中で、手の平を通して私に伝わってくる磁土には、「柔らかい温か さ」と「冷たい厳しさ」という2つの相反する特性が共存しています。この両極する 性質の共存こそが最大の魅力であり、この素材本来の持つ質感を大切にしながら、そ の魅力を形にしたいと考え、制作しました。さりげなく側に在るようで、その場の雰 囲気を醸しだし、人と人とを繋いでいける、そんな温かみのある器を作りたい、そし て器作りを通じて豊かな暮らしの実現に貢献したいというのが私の常に変わらぬもの 作りに対する思いです。