1ヶ月の朝ごはん
2013/3/20(水) ~ 5/29(水)
会 期: 2013年3月30日(土)- 2013年5月29日(水)
展示室: 1F エントランスホール展示スペース
作品数: 31組(31日分)の朝ごはんの器
最近、器を使う機会である朝食を抜いてしまう方々が多いようです。たとえそれが簡単なパンと飲み物であっても、自分のお気に入りの器を使うことで、豊かな気持ちで1日が始められることもあるでしょう。この企画展は、そんな思いを見る方々に体験して頂く提案型のプログラムです。
ただ器を並べて見てもらうというのではなく、実際に使う場面を設定 (朝食) し、器を見ながらメニューを想像してもらう事で、より「使う」という状況に近い形での展示を行っています。実際に食卓についた気分を味わって頂けるよう、椅子もご用意させて頂きました。
作り手の理想の朝食、実際に毎日食べている朝食、この曜日にはこんな朝食・・・などなど、
それぞれの作り手が提案する朝食ワールドをお楽しみ下さい。きっと「朝食抜きの生活なんて考えられない!」と思って頂けるはずです。
この企画展は次のように展開されました。
1.メニューの作成
出展作家・職人の方々にはそれぞれ「朝ごはん」のメニューを最初に考えてもらった。
例えば、「ごはん、豆腐とねぎの味噌汁、サヨリの一夜干し、きゅうりのお新香」
といったように具体的にイメージできるメニューの作成を依頼した。
2.実際の食器の制作
上記のメニューを盛るための (食べるための) 器の制作を依頼。
<出展作家>
クリックすると拡大します。
<1ヵ月の朝食 ちょっとのぞき見>
ここでは31日分すべてを紹介する事ができません。でも、ほんのちょっとだけお見せします!
1日(WED)
中矢嘉貴
<メニュー>
・バタートースト(三角切り)
・ソラマメとスクランブル・エッグの
マヨネーズあえ
・イチゴ(四つ切)入りヨーグルト
・アップルティー
<コメント>
木工をやっていますが、長らく「うつわ=陶器が◎」と思っていました。
そんな私が初めてつくったうつわが、トースト用の木のお皿。
トーストの湿気を吸収してくれるのか、実験 → 良い!
朝の食卓に、木のお皿が定番になりました。
朝ごはんから始まったうつわづくり。
使い易さをよーく考えて。
富士山麓の木々も使って。
11日(SAT)
タナカ ユミ
<メニュー>
・山形食パン
・高原野菜たっぷりの生サラダ
・凍らせたブルーベリー
・真っ赤なルバーブジャム
・長門牧場の牛乳
<コメント>
わたしの朝ごはんは土曜日の朝ごはん。
いつもより寝坊した土曜の朝、オナカがいつもより空いていて ちょっと遅い朝ごはん。
わたしの住む長野県八ヶ岳のふもとは標高1000メートル 高原野菜と酪農の地。
春と秋には赤いルバーブが実り、夏にはブルーベリーができます。収穫したブルーベリーにすこし
砂糖をまぶしてそのまま凍らせます。
土曜日の朝は ゆっくりすごしたいのでポンポンポンと朝ごはんを並べます
火も手も加えない高原の食材そのものの朝ごはん。そんな土曜日の朝ごはんを静かに見守る器たち。
パンをポンと置いただけでも絵になるように、ブルーベリーや高原野菜をポンポンと入れるだけで
映えるように、牛乳がゴクゴクのみたくなりますように。
そんな土曜日の朝ごはん。ゆっくりした土曜日の時間がはじまります。
20日(Mon)
大島太郎
<メニュー>
・たまごかけごはん
・インスタント味噌汁
<コメント>
翌日の朝ご飯のことを忘れてしまうぐらいたっぷりと楽しんだ日曜日。だから今朝はあるもので。
どうにかご飯は炊いたけど冷蔵庫にはたまごだけ。味噌汁もインスタントになっちゃったけど、炊きたてのご飯と生たまごがあれば十分なごちそう。
そう思えてしまう不思議なうつわたちです。蓋の内側でたまごを溶いてご飯にかけて召し上がれ。
真ん中のお皿はたまごを溶く部分にご飯の湯気が付かないようにするためと殻入れ用に。
たまごかけごはんのためだけに作りました。ほら、あなたもたまごかけごはんが食べたくなりましたね。
24日(FRI)
馬川祐輔
<メニュー>
・平鉢:フランスパンのサンドイッチ
・フリーボール:カボチャのスープ
・豆皿:いちご
・マグカップ:カフェオレ
<コメント>
一日の始まりの朝ごはん。
ゆっくりとおいしい朝ごはんを楽しめると幸せな気分になります。
でも実際は一番忙しない食事かもしれません。
時間が無くてトーストと飲み物だけの時でも、朝の気分に合った器を使うだけで雰囲気が変わり心にゆとりが出来ると思います。
器はそんな一日の始まりの引き立て役になってくれます。
27日(MON)
森岡希世子
<メニュー>
・塩バタークロワッサン
・蒸野菜(ブロッコリー、人参、ジャガイモ、
ミニトマト、スナップエンドウ)
・蒸野菜用オリーブオイル
・ミルクチャイ
<コメント>
朝ごはんに選ぶ器には、その日の気分が映し出される。
嬉しい日にはとっておきの器を
元気のない日には、背中をポンと押してくれる器を
緊張している日には、柔らかく包んでくれる器を
さて、今日は。