終了
ワークショップ
企画展
1F

「加賀友禅 縁の下の力持ち」

2013/8/2(金) 9/2(月)

会 期:2013年8月2日(金)- 2013年9月2日(月)
展示室:1F エントランスホール展示スペース
展示品:パネル30点、道具その他 約30点
併催プログラム協力:加賀友禅伝統産業会館

この企画展では、加賀友禅の制作工程の中でも普段あまり紹介されることのない色挿し以外の仕事に焦点を当て、それらの仕事に従事する職人さんたちの生の声を聴いて いただく事を意図しています。

加賀友禅が完成品となるまでには、職人技を駆使した様々な工程が必要とされます。 下絵・糊置き・地染めといった工程は、それぞれに従事する専門の職人さんの数も減ってきており、その方々が使用する道具を作っている職人さんも又、激減しています。そのような現状を広く知って頂くと同時に、制作工程の全体像を把握していただけるよう、本企画展では、普段目にする事も紹介される事も
ほとんどない下絵・糊置き・地染めを取り上げ、それぞれに使用される材料や道具、制作工程に
ついて詳しく紹介しています。

職人さんたちの生の声を聴いてもらうために、下絵・糊置き・地染めの職人さんがそれぞれ自分の
仕事について語るギャラリートークや、青花で下絵を描くところから始め、糊置き、色挿しの工程を体験して頂くワークショップなどを実施します。又、糊置きについては産地を問わず日本全国の友禅作家を対象としたセミナーを行います。

<出展職人さんプロフィール>

・宇野緋紗子
1942福井県生まれ
1973「加賀友禅 中染色工房」中 政雄氏に師事下絵の手ほどきを受け、下絵一筋に歩む1990多くの作家の下絵を手がけ、今日に至る

・中島良二
1950津幡町生まれ
1993第19回加賀友禅新作協議会 中部通商産業局長賞(糊置)
1997加賀友禅 手描部門(糊置)伝統工芸士認定
2001第23回伝統加賀友禅工芸展 糊置技能賞
2009第31回伝統加賀友禅工芸展 糊置技能賞金沢市が韓国・全州市と姉妹都市提携を結んだことから、 第8回伝統工芸作家交流展
(韓国・全州市)にて1週間の糊置き実演を行う

・三口 武
1967金沢市生まれ
1985高校卒業と同時に家業である三口染物店を継ぐ
1996第22回加賀友禅新作競技会引染の部門で中部通商産業局長賞受賞2008石川県勤労者美術展手工芸の部門で金沢市市議会議長賞受賞
2009石川県勤労者美術展手工芸の部門で石川県県議会議長賞受賞
2010協同組合加賀友禅染色団地の理事に就任
2011石川の現代工芸展初出品初入選知事賞受賞
2012日本現代工芸美術展初出品初入選
2013金沢市工芸展初入選、現代美術展初入選、日本現代工芸美術展再入選

・久恒俊治
1973加賀友禅作家鶴見保次工房に入門
1987独立して、加賀友禅工房久恒を開設
1990皇太子妃雅子様、御婚礼用桐ダンスの油単と袱紗に加賀友禅を染める
1995「石川県新技術開発交流展」にて金賞受賞。石川ブランドに認定される
1997石、和紙に友禅模様を描き,「発明くふう展」で奨励賞受賞
2002木に友禅染をする技法で特許所得「全国伝統的工芸品公募展」に友禅行灯、友禅ガラス皿2点が入選
2005紀宮様御婚礼のおり、宮様用贈答品に友禅夢樹の折敷を制作
2006友禅シート石川ブランド認定2007日印国交50周年記念、外務省・国際交流基金認定「2007インドにおける日本年」にて
「加賀友禅サリー」を発表
2008金箔手描き加賀友禅が石川ブランド・金沢ブランドに認定される
2009石川デザイン展にて友禅テレビボード「せせらぎ」入賞

加賀友禅 下絵職人の仕事

仮仕立て、ちりめん等の白生地(袖・身頃等に決められた寸法により裁断し、仮仕立てしたもの)に

1 作家の図案を机上に広げ、その上に生地を置く

2 青花(半紙大)2.5cm位に切り、小皿に入れ少量の水分で浸す。これを用い、絵筆で細く正確に描き  上げる。
  白生地に最初に描く下絵作業は後の工程にとり大切であり、継ぎ目箇所の模様他、丁寧にわかり  やすく描く必要があります。

3 描き終えたら、生地の仮仕立てをほどいて、巾出しをする。(縫い代に模様を余計に3分(約1cm程)  描く。)

4 次の工程の糊置き職人の方へ廻す。

◆ 併催イベント

「職人さんのギャラリートーク」

しゃべるのは苦手という職人さんですが、今回は自分たちの仕事を語ってもらいます。それぞれの
工程ごとに、専門の職人さんが説明し、参加者の質問にも答えます。加賀友禅の「全容」を知る
またとない機会です。ぜひご参加下さい。
日時 :8月10日(土)・8月25日(日) 10:00 am-10:45 am
場所 :工芸館1F及び加賀友禅伝統産業会館
講師 :宇野緋紗子(下絵)、中島良二(糊置)、三口 武(染色)、久恒俊二(模様師)
内容:工程の順番に従って、それぞれの職人さんが自らの仕事について語ります。
① 図案(久恒俊二さん) 工芸館1F
② 下絵(宇野緋紗子さん) 工芸館1F
③ 糊置き(中島良二さん) 工芸館1F
④ 地染め(三口 武さん) 工芸館1F  徒歩にて友禅会館へ移動(徒歩5分)
⑤ 色挿し(久恒俊二さん) 加賀友禅伝統産業会館
定員 :各回20名
参加 :無料予約 :電話かメールにて事前にお申込み下さい。
TEL:076-262-2020 / Eメール:info@ishikawa-densankan.jp

「加賀友禅・全部やってみよう!」ワークショップ

青花で下絵を描くところから始めて、糊置き、色挿しの工程をすべて体験して頂くワ ークショップ
です。どのような工程を経て完成品に至るのかを自分でやってみる事によって知ることが出来る絶好のチャンスです。友禅の素敵なハンカチを職人さんの指 導で作ってみましょう。
日時 :8月10日(土)・8月25日(日)13:30-16:00
場所 :工芸館1F及び加賀友禅伝統産業会館
講師 :宇野緋紗子さん(下絵)、中島良二さん(糊置)
内容:工程の順番に従って、それぞれの職人さんが教えてくれます。
① 青花で下絵を描く(宇野緋紗子さん) 工芸館1F
② 糊置きする(中島良二さん) 工芸館1F
③ 地入れ(中島良二さん) 工芸館1F  徒歩にて友禅会館へ移動(徒歩5分) 工芸館1F
④ 色挿し 加賀友禅伝統産業会館
⑤ 糊落し 加賀友禅伝統産業会館
⑥ 乾燥-完成 加賀友禅伝統産業会館
定員 :各回5名
料金 :3,000円(材料費)
予約 :電話にてお申込み下さい。
TEL:076-262-2020作品サイズ :ハンカチ(綿)45 cm x 45 cm

友禅作家のための「糊置き」セミナー

友禅業界の現況では、近い将来「のりやさん」が、いなくなるかも?
そんな中、友禅作家が自分で糊置きを覚えたい!しかし、誰も教えてくれない。 このセミナーは、
友禅作家のために開催される、友禅作家が自分で「糊置き」をするためのセミナーです。
日時 :8月4日(日) 13:00-16:00
場所 :工芸館1F 
セルフカフェ講師 :中島良二さん
受講資格 :友禅作家のみ(石川県以外の方も受講可)
業界の関係者、またはそれに準じる方の受講はお受けできません。
定員 :15名参加 :無料
申込み:電話かメールでお申込み下さい。
折り返し、受講申込書をメールまたはファックスでお送りいたします。
TEL:076-262-2020 / Eメール:info@ishikawa-densankan.jp
セミナー内容:糊置きの実演はありません。

1.糸目糊の石灰調合の実演。その糊を布で濾し、筒に入れる。(約60分)

2.質疑応答(様々な疑問にお答えします)

 以下はその例です。

 ① 糸目糊の作り方や石灰調合について

 ② 作業方法や「地入れ」の仕方

 ③ ゴム糊の扱い方

図案下絵糊置き