家具と家具
2013/10/1(火) ~ 12/1(日)
スツール(5分の一サイズとフルサイズ)
五分の一サイズとフルサイズの両方の作品を見て、
手作りの木の家具がどのように制作されているのかをご覧頂きます。
会 期:2013年10月1日(火) - 12月1日 (日)
展示室:2F 第3展示室
展示品:45点
左:ライティングデスク(5分の一サイズ)
中央:ハイバックチェア(5分の一サイズとフルサイズ)
右:椅子 - ミニチュアかフルサイズかわかりますか?
石川県の木工作家・木村知幸さんの作品を紹介する企画展です。五分の一サイズとフルサイズの両方の作品を見て頂くことで、手作りの木の家具がどのように制作されているのかをご覧頂くとともに、家具制作にあたって模型を制作する目的やそこに込められている制作者の想いを知って頂く事で、木の手作り家具に対する理解を深めて頂きたいと思います。
企画展では:
1.今回使用されているすべての木の実物を展示し、その特徴を説明しています。
2.6作品については、五分の一サイズとフルサイズの両方の作品を比べて見てもらえるよう模型と
実物を並べて展示しています。
3.精巧に制作された五分の一サイズの作品を32点展示し、その制作工程についてパネルで
紹介しています。
自分でミニチュア家具を制作するワークショップも行いますので、秋の一日を工芸館で様々な家具に囲まれてゆったりとお過ごし下さい。
<木村知幸さんからのメッセージ >
今回展示してある小さな家具は、正確に五分の一サイズで作られたものです。「わぁーかわいい♡」「おもちゃみたい!」とか言われますが、受けをねらっているわけでなく、家具制作の1工程として作っているものです。いわば自分にとって"飛び出す図面"みたいなものです。
模型を作ることは、実際の家具を作るのと同じく大変です。パーツの形や大きさを図面の通りに切り出して、とっかえひっかえしながら細かい変更を繰り返して完成させます。時には何台も作り直して完成させます。さらには、何台も作って完成させても、実際には作らないこともあります。
しかし、なぜこんな苦労してまで模型を作るのでしょうか? 通常家具を作る際、アイディアスケッチをして図面を書いてから作りはじめます。しかし、作った後に、こんなことが起きたりしないでしょうか?
・思っていたものと違う!-お客さんはもちろん、自分自身もあります。
・強度的に大丈夫だろうか?-倒れないだろうか? 一部分に力がかかりすぎてないだろう
・作れない?-クランプで締められない、手が入らない、など。無さそうですがあります。
家具は、長くかかって育った木を使います。また、木が切られてから作られるまでに多くのエネルギーを消費しています。だから、「とりあえず作りました。気に入らなかったら壊して、又作ります。」というような気持ちで作られたのでは、悲しくなります。丈夫であることは、もちろん。素材は適切であるか? デザインは気に入るか? など作った後に、「もう少しこうすればよかった」という後悔を少なくしたいと思っています。
一見遠回りしているような気もしますが、より良いものを作りたいという思いから模型を作るようにしています。時間をかけて丁寧に作られたものは、使い手のもとにわたってからも、作り手の思いが伝わり、長く愛されて使われていくような気がします。
使い手と共に思い出を刻んでいってほしい。そんな思いをもちながら、小さな家具と悪戦苦闘しています。
< 木村知幸さんプロフィール >
1966石川県生まれ1990東京造形大学 造形学部デザイン学科Ⅱ類卒業1996岐阜県 森林たくみ塾卒業
静岡県 勝見木工にて家具製作に携わる1998石川県にて、工房いんぎらぁと開設現在、金沢科学技術専門学校家具クラフト学科にて木工技術を教えながら、工房いんぎらぁととして注文家具や小物の制作を行っている。
受賞歴2000朝日新聞社「暮らしの中の椅子展」入選2004高岡クラフトコンペ入選2005高岡クラフトコンペ入選2010金沢産木材活用コンペ優秀賞
◆ 併催プログラム
「ミニチュア家具制作」ワークショップ
本企画展の出展作家・木村さんに教えてもらいながら、五分の一サイズのミニチュア家具を自分の手で作ってみましょう。木工芸がお好きな方にはベンチの制作を、初心者の方には組み立て式のシュローダーテーブルを作るワークショップです。
日 時:10月20日(日)・11月17日(日)
両日とも10:00-12:00 / 13:00-15:00
(昼食をはさんで午前・午後で行います。)場 所:工芸館1F講 師:木村知幸さん制作物:
① | ベンチの制作 実際のベンチの五分の一サイズのミニチュアを制作します。 所要時間は4-5時間です。 | |
② | シュローダーテーブルの制作 あらかじめサイズを切り揃えてある薄板に、のみやのこぎりを使って穴作り、組み立てます。 色はオリジナルデザインのものでも自分好みてもOKです。 所要時間は約3-5時間です。 |
組み立て前 | 完成イメージ |
定 員:上記①・②とも各5名
料 金:① 1,000円、② 700円 (材料費)
参 加:汚れても大丈夫な服装でご参加下さい。
予 約:電話かメールにて事前にお申込み下さい。
TEL:076-262-2020 / Eメール:info@ishikawa-densankan.jp
※ シュローダーテーブルとは、1922年にデザインされたトーマス・リートフェルトの代表作「SCHRODERテーブル」で、RED & BLUEチェアと共に今も世界各国で愛用されています。